乾坤一擲とは

自分の命運をかけた一度きりの大勝負に出ること。

「乾坤」は天地のこと。易経において「乾」は天と陽、「坤」は地と陰を意味する。
「一擲」はさいころを投げること。

乾坤けんこん一擲いってきす」と訓読する。

秦が滅亡した後、楚の項羽こううと漢の劉邦りゅうほうが天下を分けて戦った。

その楚漢戦争の最終盤において、両者は鴻溝こうこうという川を隔てて休戦し、それぞれの領地へ帰還しようとしていた。
しかし劉邦は「この機会を逃せば後の憂いとなる」という家臣の進言を受け入れ、軍を引き返し、項羽に最後の決戦を挑んだ。
その結果、劉邦は勝利を収めて天下を統一し、漢王朝を開くことになった。

それからおよそ1000年後。唐の詩人の韓愈かんゆは、鴻溝を渡った際に劉邦と項羽の戦いに思いを馳せて、これを詩にして「誰が劉邦に進言して馬を引き返させ、天地を賭けた一度の大勝負に挑ませたのだろう?」と詠った。

別表記:「一擲乾坤」

四字熟語 乾坤一擲
読み けんこんいってき
出典 韓愈『鴻溝過』
英訳 Stake everything one has
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月5日