不易流行とは
松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の中で見出した蕉風俳諧の理念の1つ。
解釈には諸説あるが、一般的には「いつまでも変わらない本質的なものの中に、新しい要素を取り入れて変化し続けること」を意味する。
「不易」は、いつまでも変わらない普遍的なこと。これに基づいた句を「千歳不易の句」という。
「流行」は、それぞれの状況に応じて変化すること、時代に応じて変化すること。これに基づいた句を「一時流行の句」という。
蕉門十哲に名を連ねる俳諧師「向井去来」は、『去来抄』において次のように述べている。
芭蕉の俳論には「千歳不易の句」と「一時流行の句」という二つの考えがある。
芭蕉はこれを区別して教えたが、その根本は一つである。不易(普遍的価値)を知らなければ俳句の基礎は成り立たず、流行(時代性)を心得ないと新しさを失ってしまう。
不易とは、古くから好まれ、後の世にも通用する句であり、ゆえに「千歳不易」と呼ぶ。
流行とは、時々刻々と移り変わるもので、昨日の風は今日に合わず、今日の風も明日には通じない。ゆえに「一時流行」と呼ぶ。
四字熟語 | 不易流行 |
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読み | ふえきりゅうこう |
出典 | 『去来抄』 |
英訳 | Unchangeableness |
類義語 | |
使用漢字 | 不、易、流、行 |
最終更新日:2025年9月11日 |