鴛鴦之契とは

仲睦まじい夫婦の絆の形容。
途切れることなく続く夫婦の信頼関係のこと。
夫婦の深い愛情や固い絆を表す。

「鴛鴦」は雄と雌のオシドリのこと。
「オシドリ夫婦」は仲睦まじい夫婦の比喩として使われるが、実際のオシドリは、毎年相手を変えている。
中国では古くからオシドリが仲の良い夫婦の象徴とされてきた。
このことから、夫婦の変わらぬ愛や、深い契りを意味するようになった。
日本でも「オシドリ夫婦」という表現があるように、古くから夫婦の仲睦まじさを表す言葉として用いられてきた。

古代中国、春秋戦国時代。宋の康王こうおうの臣下であった韓憑かんぴょうは妻の何氏かしを王に奪われ、憤激のあまり「葬ってくれ」と遺書を残して自殺した。何氏もまた「葬ってくれ」と遺書を残して自殺した。
康王はわざと離れ離れに向かい合わせて墓を作ったところ、一晩であずさの木が両方の墓から生え、十日もすると枝が連なり根がからみあい、雌雄のオシドリがみついて悲しい声で鳴いていたという。
それを見た宋の人々は韓憑と何氏の生まれ変わりだと信じ、「鴛鴦之契」という言葉が生まれた。
また、この木は「相思樹そうしじゅ」と言われ、相思相愛の語源となった。

例文

・彼らの結婚生活はまさに鴛鴦之契のごとく、互いを深く思いやるものだった。
・末永く鴛鴦之契を結べるよう、二人で努力することが大切だ。
・かつて鴛鴦之契と称えられた二人が、今では口もきかなくなってしまった。
・この絵巻には、理想の夫婦像として鴛鴦之契が描かれている。

四字熟語 鴛鴦之契
読み えんおうのちぎり
出典 『捜神記』
英訳 A bond like a pair of mandarin ducks.
類義語
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年2月17日