驕兵必敗とは

敵をあなどり、自惚うぬぼれた軍隊は必ず敗北するということ。

驕兵きょうへいは必ずやぶる」と訓読する。

前漢の第10代皇帝「宣帝」の時代。
宿敵であった匈奴きょうどが衰退しつつあり、朝廷の中ではこれを好機として大規模な出兵を行うべきだという意見が高まっていた。
しかし、この動きに対して丞相の「魏相ぎしょう」は、戦の種類を五つに分け、軽率な戦争の危険性を説いた。

  1. 義兵ぎへい:乱を正し、悪を打ち倒すもの。義にかなった兵であり、王者の道である。
  2. 応兵おうへい:外敵に侵され、やむを得ず起こす兵。正しく応じる兵は必ず勝利する。
  3. 忿兵ふんぺい:些細な恨みに駆られ、憤怒を抑えきれずに起こす兵。怒りに任せた戦は必ず敗れる。
  4. 貪兵たんぺい:他国の土地や財宝をむさぼり求めて起こす兵。貪欲に基づく戦は必ず破れる。
  5. 驕兵きょうへい:国家の強大さに頼り、人口の多さを誇り、威を誇示しようとして起こす兵。驕り高ぶる軍は必ず滅びる。

魏相は「匈奴が衰えたからといって軽々しく出兵するのは、まさに驕兵にあたる」と強く諫めた。
宣帝はこれを受け入れ、最終的に出兵を見送った。

四字熟語 驕兵必敗
読み きょうへいひっぱい
出典 『漢書』魏相伝
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月9日