越犬吠雪とは

無知であると当たり前のことに疑いを抱いてしまうこと。
知らないものに対して過剰に反応したり、不必要な不安を抱いたりすることを指す。
中国の故事に由来する言葉で、見慣れないものに驚き、的外れな反応をすることを戒めている。
雪が滅多に降らない越の国の犬は、雪を見ると吠え立てるという逸話が由来。

「越犬」は越の国(古代中国の越地方)に住む犬。温暖な地方のため、雪を見たことがない。
「吠雪」は雪を見て驚き、無意味に吠えること。

この言葉の背景には、「知識や経験が不足していると、ありふれた現象でも異常に思えてしまう」という教訓がある。
日常的に見られることでも、それを知らない者にとっては驚きや疑問の対象となるという、人間の認識の限界を示している。

例文

・科学的に証明されている現象に対して、非合理的な疑念を抱くのは、越犬吠雪のようなものだ。
・進化論を知らない人が、化石の存在を不思議がるのは、まさに越犬吠雪の例だ。
・彼は新しい技術に懐疑的だが、それは越犬吠雪に過ぎない。
・知識があれば驚かないことでも、無知な人には理解しがたいものとなる。これこそ越犬吠雪の典型である。

四字熟語 越犬吠雪
読み えっけんはいせつ
英訳 Ignorant people speaking without understanding
類義語
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年2月13日