猿臂之勢とは

軍隊の進退や攻守を自在に変化させることのできる体制のこと。または遠い場所に陣を張ること。

「猿臂」とは、猿の腕。長くてしなやか、かつ俊敏で強いという特徴を持つ。
「之勢」とは、その勢い。その運動の勢力・動的な力の状態。

したがって「猿臂之勢」とは、「猿の腕のごとき勢い・技の冴え」を表している。
腕が長いと弓を引くのに便利なことから、弓の扱いが上手い人のことを指す。
また、長い腕を伸縮して自由に動かせることから、攻守や進退が自在であることを意味する。

猿の腕のように長くてしなやかな腕が、勢いよく振るわれる様子、あるいはそのように強く俊敏な力の発動を指す表現である。
主に弓術・剣術・武道などの比喩として用いられる表現で、「勢いよく放たれた矢」や「伸びやかに繰り出される技」などを指して称賛する文脈で使われることが多い。

例文

・彼の突きは、まさに猿臂之勢、目にも留まらぬ速さだった。
・弓を引くその姿には、猿臂之勢のごとき力強さが感じられた。
・武芸の極みに至るには、猿臂之勢の如き自然な運動が求められる。
・老師は猿臂之勢を語り、技における柔と剛の融合を説いた。

四字熟語 猿臂之勢
読み えんぴのいきおい
出典 『旧唐書』李光弼伝
英訳 the force of a monkey's arm
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年4月4日