烏帽子親とは

江戸時代ごろの風習で、武家の男子が元服する際に、烏帽子をかぶせて烏帽子名(成人としての新しい名)を授ける役目を担う仮の親のことである。
単なる儀式上の立会人ではなく、その後の人生においても後見人のような存在となり、指導や支援を行うことが多かった。

「烏帽子」は武家や貴族の成人男子が元服の際にかぶる黒い帽子。成人の象徴とされた。
「親」は実の親ではなく、儀式の際に一時的に親代わりとなる人物を指す。

武士社会では、烏帽子親は社会的なつながりを築く重要な存在でもあり、主君や有力者がその役を務めることもあった。
現代では「指導者」や「後見人」といった意味合いで比喩的に使われることがある。

例文

・武家の男子が元服を迎えるとき、家柄にふさわしい烏帽子親が選ばれた。
・彼の家は代々、主君の家から烏帽子親を迎える習わしだった。
・烏帽子親となることは名誉であり、同時に若者の将来に責任を持つ役目でもあった。
・かつての元服における烏帽子親の制度は、現代の後見人のような役割を果たしていた。

四字熟語 烏帽子親
読み えぼしおや
英訳 A ceremonial foster parent in a samurai coming-of-age ritual.
使用漢字
最終更新日:2025年2月17日