掩耳偸鈴とは

良心に反する行為を行い、それを隠すために自分を騙している様子を表す。
また、他人には秘密にしようとしても、すでにその悪事は知れ渡っているという意味も含まれている。

「掩耳」は耳を塞ぐこと。ここでは、悪事を自覚しないように意図的に無視すること。
「偸鈴」は鈴を盗むこと。鈴の音は明確に鳴るため、盗んだことがすぐにバレるという意味が込められている。

この四字熟語は、悪事を隠そうとしても、その隠蔽が無意味であり、他人に知られることを表している。
自分の行動が知られていないと思い込んでいるが、実際にはすでに周囲に明らかであるという警告を含んでいる。
みみおおいてすずぬすむ」と訓読する。

中国の春秋時代。ある農民が大鐘を盗もうとして、その大きさに困り、砕いて持ち去ろうとした。ところが、鐘の音が四方に響き渡り、慌てた男は耳を塞いで、音から逃れようとした。

例文

・彼は掩耳偸鈴のように、自分の過ちを無視しようとしたが、結局は周囲に知られてしまった。
・その政治家は掩耳偸鈴のように、自分の不正行為を隠そうとしたが、真実はすぐに明らかになった。
・あの社員は掩耳偸鈴のように自分のミスを隠していたが、他の人にはすぐにバレていた。
・掩耳偸鈴の行為は、最終的に自分に大きな報いをもたらすことになる。

四字熟語 掩耳偸鈴
読み えんじちゅうれい
出典 『呂氏春秋』
英訳 To cover one's ears while stealing a bell, trying to ignore the wrong one has done, only to have it known anyway.
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年2月17日