倚門之望とは

子の帰りを待ちわびている親の心境。特に母親が子を思う愛情のこと。
「門によりかかって待ち望む」という意味。
門に寄りかかりながら、遠くにいる子の無事と帰宅を切実に願う姿を表現している。

「倚門」は門に寄りかかること
「之望」は心から待ち望むこと

この言葉は、古代中国の詩や物語に登場し、戦争や旅に出た子どもを案じる母親の情愛を象徴する表現として用いられてきた。
親が子を想う気持ちが切実であることを強調する言葉である。

古代中国の春秋時代。王孫賈おうそんかは朝早くから夜遅くまで仕事に出掛けていて、母親は村里の入り口まで出て、門に寄りかかって帰ってくるのを待ちわびたという故事が由来。

例文

・旅立った息子の帰りを、母は倚門之望の気持ちで待ち続けた。
・留学先の娘を思い、母親は倚門之望の心境で毎日手紙を送った。
・昔の母親は、戦地に向かった息子を倚門之望の思いで待ち続けたという。
・仕事が忙しく、なかなか実家に帰れないが、母の倚門之望の気持ちを思うと胸が痛む。

四字熟語 倚門之望
読み いもんのぼう
出典 『戦国策』斉策
英訳 mother's feeling as she waits for her child to return
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年2月5日