以暴易暴とは

暴力によって暴力を制すること。
統治者が交替しても暴虐な統治に変わりはないということ。
暴力をもって暴力を改める、つまり悪を悪で制することを意味する。
本来ならば正義や道理によって問題を解決すべきところを、同じ手段で対抗し、結果として状況が改善されず、さらに混乱や悪化を招くことを指す。

「以暴」は武力や強権を用いること。
「易暴」は悪を別の悪にすり替えること。

この言葉は、中国の古典『史記』の「商君列伝」に由来する。戦国時代、秦の宰相であった商鞅(しょうおう)は、厳格な法治を行い、一時的に国を強くしたものの、その苛烈な政策が恨みを買い、最終的には自らも処刑される運命を辿った。
これが「以暴易暴」の象徴的な事例とされている。

古代中国。周の武王が殷の紂王を武力により征伐した際に、伯夷と叔斉の兄弟が武王を非難した言葉。

「暴を以て暴に易う」と読み下す。

例文

・平和な解決を望むのであれば、絶対に以暴易暴は避けるべきである。
・各国が以暴易暴な姿勢を見せていて、国際情勢が悪化している。
・両国の対立は、報復合戦となり、まさに以暴易暴の様相を呈している。
・いじめに対して暴力で仕返しをするのは、以暴易暴に過ぎず、問題の解決にはならない。

四字熟語 以暴易暴
読み いぼうえきぼう
出典 『史記』伯夷列伝
英訳 Use violence against violence
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年2月5日