三令五申とは

三度命じて、五度言い聞かせるという意味。
転じて、何度も繰り返し言い聞かせること。再三にわたる命令や警告のこと。

春秋末期、呉王闔閭こうりょは孫武(孫子)に宮中の美女180名を訓練させ、命令遵守の重要性を試すよう命じた。
孫武はその人数を二つの隊に分け、呉王のお気に入りの宮女2名をそれぞれ隊長に任命し、全員にほこを持たせた。

孫武はまず命令や規則を定め、号令を三度も五度もくりかえして説明し、念を押した。

そして「右を向け」など簡単な命令を下したが、宮女たちは笑って従わなかった。

孫武は「命令が伝わらなかったのは自分の責任だ」として再度説明し、さらに「三度も五度も繰り返し命令し、従わなければ処罰する」と厳告した。
しかしなおもふざけたため、孫武は隊長の宮女2人を斬首した。

この処罰により、宮女たちは厳粛に号令に従うようになり、規律が整えられた。
呉王は孫武の軍事能力を認め、正式に将軍の位を授けた。

四字熟語 三令五申
読み さんれいごしん
出典 『史記』「孫武伝」
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年10月3日