韓信匍匐とは

将来の目的を果たすために、目前の恥辱や苦労を耐えることのたとえ。

「韓信」は後に漢の「劉邦」に仕え、王朝を建国するときに大きな功績を上げ、軍師の張良ちょうりょう、丞相の蕭何しょうかと共に三傑と称された人物。
「匍匐」は腹ばいになって進むこと。または植物が地面を這うように横に伸びること。

若き日の韓信は屠殺業に従事していた。ある日、同業の若者に侮辱され、町の人々の前で「お前が大きな体をして刀を帯びているのは、臆病なだけだろう」と言われた。
さらにその若者は「できるものなら俺を刺してみろ。できないなら、俺の股の下をくぐれ」と挑発した。
韓信はその場で腹這いになり、若者の股の下をくぐった。町の人々はこれを見て韓信を臆病者として嘲笑した。

しかし後年、韓信は楚の王となり、かつて自分を侮辱した若者を召し出して中尉に任命した。
韓信は「かつてあの者を殺さなかったのは、名誉にならないと考えたからだ。耐え忍んだ結果、今日の成功がある」と語った。

四字熟語 韓信匍匐
読み かんしんほふく
出典 『史記』淮陰侯伝
使用漢字
最終更新日:2025年10月15日