雲合霧集とは

雲や霧があっという間に立ち込めるように、多くの人や物が一度に集まることを意味する。

「雲合」は雲が一つにまとまって集まること。
「霧集」は霧が立ちこめるように集まること。

紀元前203年、漢の将軍「韓信」は斉を平定し、その功績によって斉王に任じられた。
そのとき、楚の覇王「項羽」は韓信の力を恐れ、「劉邦と手を切れ」と使者を送った。しかし韓信は、かつて項羽のもとで才能を認められず冷遇された経験があり、恩義のある劉邦を裏切るつもりはなかったため、この申し出をきっぱりと断った。

その後、斉の学者「蒯通かいとう」が韓信に進言した。
「世の中が乱れると、英雄や豪傑は次々と王を名乗り、呼びかけひとつで人々は雲や霧のように集まり、大軍となって勢いを増していく。今のあなたには天の時、地の利、人の和が備わっている。楚と漢が争い疲弊したときに動けば、天下を手にできるのです」

これを聞いた韓信は大いに悩んだが、最終的には劉邦への忠義と恩義を選び、蒯通の策略を退けた。

例文

・大規模なイベントが開催されると、観客が雲合霧集のように押し寄せる。
・人気のある飲食店には、昼時になると客が雲合霧集して長蛇の列を作る。

四字熟語 雲合霧集
読み うんごうむしゅう
出典 『史記』淮陰侯伝
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月12日