管中窺天とは
細い管を覗いて天を見るという意味。見識や視野が極めて狭いことのたとえ。
「管中より天を窺う」と訓読する。
名医の扁鵲がとある小国を訪れたとき、太子が突然死亡したという噂を聞いた。
扁鵲は宮廷医師たちを訪ね、その太子の病状を尋ねると、医師たちは「太子は暴疾で死んだ」「もう手遅れだ」と判断していた。しかし扁鵲は「まだ死んでいない可能性がある」と思い、宮廷医師の診断を批判した。
「もし管(筒などの細い管)を通して天を窺い、隙間を通して文様(模様)を見ようとするならば、見えるものはわずか。隙間から見えるのは小さく、全体を判断するにはあまりにも頼りない」と訴え、医師たちに太子をもう一度診察するよう促した。すると太子の耳が少し鳴っていたり、身体の一部が温かかったりする現象が観察された。扁鵲はただちに具体的な治療法を用いて太子を回復させた。
その後「扁鵲は死人を生き返らす名医」としての評判が立ったが、扁鵲は「死んでいない人を治したまで」と言ってその国を後にした。
四字熟語 | 管中窺天 |
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読み | かんちゅうきてん |
出典 | 『史記』扁鵲 |
類義語 | |
使用漢字 | 中、天、窺、管 |
最終更新日:2025年9月17日 |