燕雀鴻鵠とは

ツバメやスズメのような小さな鳥には、オオトリやコウノトリのような大きな鳥の志すところは理解できないという意味。
転じて、凡人には偉大な人物の心の内が理解できないことのたとえ。

しんが中国を支配した時代。陽城ようじょう(現在の河南省かなんしょう)に陳勝という貧しい農民がいた。
彼は小作人として働いていたが、休憩のとき、一緒に働いていた男たちに「もし自分が偉くなっても、お前たちのことは忘れない」と語った。
すると仲間たちは笑い、「お前さんは人に雇われている身なのに、どうして富貴など望めるか?」とからかわれ相手にされなかった。
陳勝はため息をついて言った。
「ああ、つばめすずめのような小鳥に、どうしておおとりくぐいのような大きな鳥の気持ちがわかるだろうか」
のちに陳勝は秦に対して初めて反乱を起こした人物となり、張楚の王となった。

この故事から生まれた言葉が「燕雀えんじゃくいずくんぞ鴻鵠こうこくの志を知らんや」であり、後に「燕雀鴻鵠」と略して用いられるようになった。

例文

・歴史を振り返れば、多くの偉人が燕雀鴻鵠のごとく凡人に嘲笑されたが、その志は後に評価された。
・彼の壮大な計画を笑う者たちもいるが、それはまさに燕雀鴻鵠の例にすぎない。

四字熟語 燕雀鴻鵠
読み えんじゃくこうこく
出典 『史記』陳渉世家
英訳 Only a hero can understand a hero.
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月7日