甕裡醯鶏とは

見識や経験が極めて狭く、世間知らずな人物をたとえている。
「甕」は大きなつぼ、「裡」は中、「醯」は酢、「鶏」はにわとりを意味し、「酢の壺の中で暮らす鶏」のことを指す。
これは、中国の古典『荘子』に登場する表現で、狭い世界に閉じこもって広い世界を知らない様子を風刺している。
視野が極端に狭く、他者や外界への理解に欠ける人間を揶揄する語であり、「井の中の蛙」に近い意味合いを持つ。
孔子が老子に出会った後、弟子に「私は甕に湧く羽虫のようなものだ。老子が甕の蓋を開いて外に出したくれたおかげで、天地の大きさを知ることができた」と語ったという故事が由来。
「井の中の蛙大海を知らず」と同義。

別表記:「甕裏醯鶏」

例文

・彼の考え方はまるで甕裡醯鶏のように狭い。
・海外に出たことで、甕裡醯鶏の自分に気づいた。
・甕裡醯鶏にならぬよう、広く世界に目を向けたい。
・甕裡醯鶏な人間では新しい発想は生まれない。

四字熟語 甕裡醯鶏
読み おうりけいけい
出典 『荘子』田子方
英訳 narrow-minded person
類義語
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年7月23日