爛額焦頭とは

火災の予防を考えた者は賞されず、消火のために頭を焦がし額を火傷した者が賞賛されるという意味。
根本を忘れ、末節を重視することのたとえ。
また、ひどく窮した状態や、手いっぱいでどうにもならない状態などの比喩としても用いる。

「頭を焦がし額をただらす」と訓読する。

古代中国の前漢時代。霍光かくこう一族は強大な権力を握りつつあった。
徐福は霍光の横暴な振る舞いを憂い、皇帝に対して何度も警戒を促したが、聞き入れられなかった。

あるとき、別の大臣が徐福のために、寓話を織り交ぜて上奏じょうそうした。


ある家の真っ直ぐな煙突のすぐ側に、火の気のある薪が積まれていた。

客人が来てそれを見ると「煙突を曲げて、薪も移せば火事を防げるだろう」と勧めたが、家主は聞き入れなかった。
そののち火災が起こり、近隣の人々が駆けつけて消火した。全焼は免れたものの、被害は大きかった。

火災後、家主は消火した者たちを招いてもてなした。
傷を負った者を上座に据え、功労者に応じて席順をつけたが、最初に予防策を勧めた者は招かれなかった。

人々は「予防策を勧めてくれた客人の言うことを聞いていれば、火事にならなかっただろう。彼には何の報いもなく、頭を焦がし額を火傷した者を重んじるのか?」と非難した。


これを読んだ皇帝は徐福の忠言を認め、高位の官職を授けた。

別表記:「焦頭爛額しょうとうらんがく

四字熟語 爛額焦頭
読み らんがくしょうとう
出典 『漢書』霍光伝
類義語
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月30日