転じて優れた能力を持つ人物の喩え。
宰相や将軍となるべき優れた人物のたとえである。
「渭浜」は渭水(中国・陝西省を流れる川)のほとり。
「漁父」は漁師を意味する。
この語は、周の文王が渭水のほとりで釣りをしていた太公望(呂尚)を見出した故事に由来する。
太公望(呂尚)は、兵法や政治の才に優れていたが、長年にわたり世に認められず、隠遁生活を送っていた。
しかし、周の文王が彼を見出し、やがて彼は軍師として活躍し、殷を滅ぼし周王朝を築く重要な役割を果たした。
このことから、渭浜漁父は「宰相や将軍となるべき傑出した人物」「時を待つ天才」のたとえとして用いられるようになった。
呂尚は渭水という河のほとりで釣り糸を垂れて、天下を釣り上げようとする大望を抱いていた。
ちょうどそのときに周の文王に才能を見出され、後に武王(文王の子)の軍師として仕え、殷王朝を滅ぼした。
・彼はまるで渭浜漁父のように、まだ世に知られていないが、将来は宰相となるべき逸材だ。
・歴史上の多くの名将や宰相は、一時は渭浜漁父のごとく埋もれていたが、やがて時代が彼らを必要とした。
・組織の中に渭浜漁父のような逸材が眠っているかもしれない、発掘する目を養うことが大切だ。
・渭浜漁父たる彼は、時代の変革とともにその才を見いだされ、国家の柱となった。
四字熟語 | 渭浜漁父 |
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読み | いひんぎょほ、いひんのぎょほ |
出典 | 『史記』范雎伝 |
英訳 | A great leader waiting to be discovered |
使用漢字 | 浜、渭、漁、父 |
最終更新日:2025年2月5日 |
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