円頭方足とは

仏像の特徴を表す言葉で、「仏の頭部が丸く、足が四角い」ことを指す。
これは仏の身体が通常の人間とは異なり、完全性や神聖性、荘厳さを備えているという思想に基づいた特徴である。
具体的には、仏像彫刻や仏画において、このような形態的特徴を持つことで、凡人との違いや超越的存在であることを示している。
また、「円」は完全さや調和、「方」は安定や堅固さを象徴する形でもあるため、「円頭方足」はその造形美の中に、仏の徳や精神性も込められていると解釈される。

「円頭」とは、丸い頭。円は仏教において完全・無限・調和を象徴する。
「方足」とは、四角い足。方は安定・堅実・正しさの象徴。

古代中国では、人間の丸い頭は天をかたどり、四角い足は地をかたどってできたと考えられていた。
仏の姿かたちに理想的な美と意味を重ねた表現であり、宗教的・象徴的意味合いが強い語である。

例文

・仏師は円頭方足の理想を追求し、一心に像を彫り続けた。
・この仏像は円頭方足の姿形を正しく備えており、鎌倉時代の典型である。
・円頭方足という語に、仏の完全なる姿が凝縮されている。
・参拝者は、円頭方足の仏像の前で思わず手を合わせた。

四字熟語 円頭方足
読み えんとうほうそく
出典 『淮南子』精神訓
英訳 symbolic form of a Buddha's ideal features
a Buddha with a perfect head and stable footing
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年4月4日