円融三諦とは

仏教用語で、天台宗で説く三つの真理のこと。

  1. 空諦くうたい:すべての存在はくうである
  2. 仮諦けたい:すべての存在は縁起によって仮に存在する
  3. 中諦ちゅうたいすべての存在は「空諦」「仮諦」を超えた絶対のものである

この三つの真理が互いに融けあって、同時に成立しているとされる。
この教えは、「一切の現象(存在)は三つの見方で同時に捉えることができ、それらが本質的に分離していない」とするもので、現実を多面的かつ統合的に理解しようとする仏教的認識を表している。
仏教の深遠な哲理を、天台宗が「円融三諦」として体系化した。

同義語:「三諦円融」

例文

・円融三諦の教えは、世界を多面的に見るための仏教的智恵である。
・天台宗の思想は、円融三諦によって全ての存在のあり方を統一的に捉える。
・「空・仮・中」の三つの視点を分け隔てなく見ること、それが円融三諦の真意である。
・円融三諦に基づく思索は、現代の多元的社会にも通じる深い洞察を与える。

四字熟語 円融三諦
読み えんにゅうさんたい、えんにゅうさんだい、えんゆうさんたい、えんゆうさんだい
英訳 the harmonious unity of the Three Truths
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年4月4日