先従隗始とは

物事を行うときは、まず手近なところから始めるべきという教訓。

原義は「人材を集めたいなら、まず郭隗のような身近な凡人から登用すべきだ」という故事に基づく。

かいはじめよ」と訓読する。

古代中国の戦国時代。燕の昭王は、国を再建するために優秀な人材を求めていた。

そこで、賢者の郭隗かくかいは、かつて名馬を求めた王が「死んだ馬の骨」でさえ高値で買ったところ、その評判を聞いた者が生きた名馬を次々に売りに来た、という故事を語った。

郭隗は続けて「今もし王が本当に賢者を集めたいなら、まずは自分のような者を重用すべきだ」と進言した。

その真意は「郭隗のような凡人でさえ重用されるならば、郭隗より賢い人々は遠方からでも燕に仕えようと思ってやってくるだろう」というものだった。

昭王はこの言葉を受け入れ、郭隗のために宮殿を改築し、師と仰ぎ、重用した。
やがてその評判を聞きつけ、多くの人材が燕に集まったという。

四字熟語 先従隗始
読み せんじゅうかいし
出典 『戦国策』「燕策」
使用漢字
最終更新日:2025年9月20日