偃鼠飲河とは

小さな身体の偃鼠えんそ(モグラ)が大河の水を飲むといっても、自分の腹が満たされるだけであり、川の水全体を飲み干すことはできない。
ここから「自分の器量や能力をわきまえ、分相応のところで満足すべきである」という教訓を示す言葉。

古代中国の伝説上の聖天子『尭帝』が、賢者『許由きょゆう』に天子の座を譲ろうとしたところ、許由は自分を偃鼠(モグラ、またはドブネズミ)にたとえ、「モグラは大きな黄河の水を飲んでも、すぐに満腹になる」と言って、自分が今の生活に満足していて、これ以上何も望んでいないことを示し、尭帝の提案を断った。

「偃鼠、河に飲むも満腹に過ぎず」を略した言葉。

同義語:「飲河満腹いんかまんぷく

例文

・収入に見合った生活をすることが大切であり、偃鼠飲河の精神を忘れてはならない。

四字熟語 偃鼠飲河
読み えんそいんが
出典 『荘子』逍遥遊
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月8日