以徳報怨とは

かつては敵であったり、怨みを抱いた者に対しても、愛情を持って接すること。
他人から受けた恨みや憎しみに対して、仕返しをするのではなく、徳をもって応じること。
つまり、敵意や悪意を受けたとしても、それに対して寛容さや善意をもって接することを意味する。
『論語』の中で孔子が説いた言葉として知られる。

「以徳」は徳をもって(道徳的な行いによって)
「報怨」は恨みに報いる(仕返しをする)

孔子は「恨みに対しては正義で報い、徳には徳で報いるべきだ」と述べたが、後世には「恨みにも徳をもって報いるべきだ」とする考え方も生まれた。
「徳をってうらみにむくいる」と訓読する。
同義語の「報怨以徳ほうえんいとく」は『老子・第六十三章』が出典。

例文

・彼は過去に裏切られた友人に対しても、以徳報怨の姿勢を貫いた。
・争いを避けるためには、以徳報怨の精神を持つことが重要である。
・以徳報怨を実践することは難しいが、最終的には周囲の人々の信頼を得ることにつながる。
・彼女は悪口を言われても言い返さず、以徳報怨の態度で周囲を感動させた。

四字熟語 以徳報怨
読み いとくほうえん
出典 『論語』憲問
英訳 Repay resentment with virtue.
Return good for evil.
使用漢字
最終更新日:2025年2月4日