一夜十起とは

人は多かれ少なかれ必ず私情や私心に左右される。
それらを捨て去ることは非常に難しいということの喩え。
私情や私心に左右されることの難しさを表す言葉。
つまり、人はどんなに冷静に物事を考えようとしても、感情や個人的な思いが入り込み、それを完全に捨て去ることは非常に難しいという意味である。

中国、後漢時代の「第五倫だいごりん」は、兄の子が病気のときは一晩に十回も起きて看病しながら、自分の寝床に入ると安眠できた。
ところが自分の子供が病気になると、看病こそしなかったけれども、心配のあまり夜通し眠ることができなかったという故事が由来。

一夜いちやたびく」と訓読する。

例文

・一夜十起のように、私情を捨て去ることは容易ではない。
・彼は冷静に判断しようとしても、一夜十起のように私心が邪魔をしてしまう。
・理性的な決断を下すためには、一夜十起のような努力が必要だと感じる。
・一夜十起という言葉が示すように、私たちはしばしば感情に引きずられるものだ。

四字熟語 一夜十起
読み いちやじっき
出典 『後漢書』第五倫伝
英訳 One is bound to be influenced by personal feelings, no matter how hard one tries to be impartial.
使用漢字
最終更新日:2025年1月14日