面折廷争とは

君主に対して臆することなく、大胆にいさめること。
議論や討論において堂々と主張することを指す表現。

「面折」は面と向かって責めること。
「廷諍」は朝廷で争論すること。

別表記:「面折廷諍」
同義語:「廷争面折ていそうめんせつ」「廷諍面折ていそうめんせつ

古代中国、漢の高祖劉邦りゅうほうの死後、権勢を振るった呂太后りょたいこうは、劉邦の直系である劉氏一族の地位を圧迫しつつ、呂氏一族に重要な官職を与えていた。
右丞相の王陵おうりょうはこれに強く反対し、呂太后に面と向かって諫めた。
一方、左丞相の陳平ちんぺいは表立って呂太后に逆らうことはせず、密かに劉氏一族を守る策を練っていた。

陳平は王陵に次のように言った。

「廷での議論や、面と向かってのやり取りにおいては、あなたには及ばない。しかし、国家の安定や君主の後継者を定めるという重要な事柄においては、あなたは私たちには及ばないのだ」

やがて呂太后が死去すると、陳平はすぐに兵を起こして呂氏一族を誅滅し、劉恒りゅうこうを皇帝(文帝)として即位させ、劉氏一族を復権させ、政権を安定さた。

四字熟語 面折廷争
読み めんせつていそう
出典 『史記』呂后紀
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月15日