隔岸観火とは

兵法三十六計の第九計。
敵の秩序に乱れが生じているなら、あえて攻めずに放置して敵の自滅を待つ戦略。

他人の争いには関与せず、安全な場所から眺めていること。
「対岸の火事」と同じ意味。

「岸を隔てて火を観る」と訓読する。

古代中国、三国時代。袁尚と袁煕は曹操に敗れて東の公孫康のもとに逃れた。
曹操の臣下は攻めるよう進言したが、曹操はあえてそれを放置した。
その結果、公孫康は袁尚と袁煕を討ち、その首を曹操に送ってきた。
曹操がこれを予言していたので、将軍たちが曹操に理由を尋ねたところ、「こちらが攻め立てれば彼らは協力したが、放置すれば互いに疑心暗鬼となり、自滅することが明らかであった」と述べた。

兵法三十六計
瞞天過海
囲魏救趙
借刀殺人
以逸待労
趁火打劫
声東撃西
無中生有
暗渡陳倉
隔岸観火
笑裏蔵刀
李代桃僵
順手牽羊
打草驚蛇
借屍還魂
調虎離山
欲擒姑縦
抛磚引玉
擒賊擒王
釜底抽薪
混水摸魚
金蝉脱殻
関門捉賊
遠交近攻
仮道伐虢
偸梁換柱
指桑罵槐
仮痴不癲
上屋抽梯
樹上開花
反客為主
美人計
空城計
反間計
苦肉計
連環計
走為上

例文

・戦略家は隔岸観火の態度を取り、敵が自滅するのを静かに見守った。
・会社の競争相手が内部紛争に陥ったとき、隔岸観火の姿勢で状況を観察した。

四字熟語 隔岸観火
読み かくがんかんか
出典 『三国志』、『呉子』
英訳 Watch a fire from across the river
Stand by and let others destroy themselves
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月4日