調虎離山

調虎離山とは

兵法三十六計の第十五計。

敵を本拠地から誘い出し、味方に有利な地形で戦う策略。

「調はかって虎を山から離す」と訓読する。

古代中国、漢代の末期。
羌きょう族が反乱を起こし、武都ぶとの一帯を荒らし回っていた。
討伐の任を受けた虞詡ぐくは出陣したが、進軍途中で羌の大軍に行く手を阻まれ、やむなく軍を止めた。

そこで虞詡は一計を案じ、「朝廷に上奏して増援を要請し、その到着を待ってから出発する」とわざと公言し、宣伝した。
この噂が羌の耳に入ると、彼らは「漢の援軍が来る前に戦わねば」と焦り、密集を解いて各地に分散し、周辺の県を荒らしはじめた。

虞詡はこの機を逃さず、再び武都への進軍を開始した。実際には援軍など一人も来ていなかったが、あたかも続々と増援が加わっているかのように見せかけるため、兵士一人につき作らせる「釜場かまば」の数を日ごとに倍増させていった。

羌族はこれを偵察で知り、「虞の軍勢は日に日に膨れ上がっている」と誤信し、恐れて攻撃を仕掛けてこなかった。
その結果、虞詡は無傷で武都に入城することに成功し、最終的には反乱軍を撃破して平定を果たした。

兵法三十六計

瞞天過海

囲魏救趙

借刀殺人

以逸待労

趁火打劫

声東撃西

無中生有

暗渡陳倉

隔岸観火

笑裏蔵刀

李代桃僵

順手牽羊

打草驚蛇

借屍還魂

調虎離山

欲擒姑縦

抛磚引玉

擒賊擒王

釜底抽薪

混水摸魚

金蝉脱殻

関門捉賊

遠交近攻

仮道伐虢

偸梁換柱

指桑罵槐

仮痴不癲

上屋抽梯

樹上開花

反客為主

美人計

空城計

反間計

苦肉計

連環計

走為上