解衣推食とは

困っている人に対して自分の衣服を脱いで与え、食べ物を勧めるほどに親切で思いやりのある行為を指す。
相手の苦境を深く理解し、惜しみなく自分の持つものを分け与える、無私の心や献身的な態度を強調している。

韓信はもと項羽の陣営にいたが才能を認められず冷遇され、劉邦のもとに身を寄せた。劉邦は韓信を厚遇し、大将軍に任命した。
やがて項羽が韓信に寝返りを促す使者を送ったが、韓信はその誘いを毅然と断った。その理由として次のように述べている。
「漢王は私を非常に厚遇してくれた。身分の低かったころの交わりすら忘れず、衣を脱いで食を分け与え、最初から最後まで変わらぬ誠意で接してくれた。今や私は大将軍である。その恩にどうして背くことができようか。」
この故事により、「解衣推食」は恩義を大切にし、誠意をもって人に接する態度の象徴として使われるようになった。

「解衣」は着ている衣を解き与えること。
「推食」は自分の食べ物を恵み与えること。

「衣を解き食を推す」と訓読する。

例文

・彼の行動はまさに解衣推食の精神そのものであった。
・困っている友人に解衣推食の心で接した。
・解衣推食の行為は、真の友情の証である。
・解衣推食の姿勢が多くの人々の感動を呼んだ。

四字熟語 解衣推食
読み かいいすいしょく
出典 『史記』淮陰侯伝
英訳 selfless kindness
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年8月16日