海翁好鴎とは

捕まえようとする気持ちを悟られると、鳥は近寄ってこないという意味。
野心を人に知られては折角の目的も達成しにくいという教訓。
無心で接していたときにはうまくいっていた関係が、意図や思惑を持って近づいたことで逆にうまくいかなくなることのたとえである。
古代中国の故事に由来し、海辺に住む老人(海翁)が、無心に過ごしていた頃には多くのカモメ(鴎)が自然に寄ってきていたが、「捕まえて子に見せよう」と思った瞬間から、鴎は寄りつかなくなったという話に基づく。
ここから、自然体の振る舞いが人を引きつけ、下心や計算が見えると関係が壊れるという教訓的な意味を持つ。
海翁かいおうかもめこのむ」と訓読する。

毎朝カモメ達と遊んでいた少年が、ある日父親からカモメを捕まえてくるよう言われた。
するとカモメは警戒して少年に近寄らなくなったという説話が由来。

別表記:「海翁好鷗」
同義語:「海翁失鴎かいおうしつおう」「海翁失鷗かいおうしつおう

例文

・彼の不自然な親切は、まさに海翁好鴎のように相手を遠ざけた。
・自然体でいればよかったのに、下心が出て海翁好鴎の結末となった。
・人気者に取り入ろうとしすぎて、逆に敬遠されたのは海翁好鴎の例だ。
・子どもにも海翁好鴎の心理があり、構いすぎると離れていく。

四字熟語 海翁好鴎
読み かいおうこうおう
出典 『列子』黄帝
英訳 affection drives away affection
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年7月23日