枕戈待旦とは

矛を枕にして寝て、明日を待つという意味で、戦いの準備を怠らないことのたとえ。

ほこまくらにしてあしたを待つ」と訓読する。

劉琨りゅうこんは、西晋から五胡十六国時代にかけて活躍した名将で、政治家としても知られていた。
彼には若き日から祖逖そてきという親友がいた。
当時は国が乱れ、異民族の侵攻が相次ぐ混乱の時代だった。
そのなかで劉琨は、親友の祖逖とともに国家のために奮起しようとする決意を固めていた。

あるとき、劉琨は「祖逖が官職に任じられた」との知らせを聞く。
それを喜ぶ一方、親友への祝福と「自分も負けてはいられない」という胸中を綴った手紙を親友に送った。

「私はほこを枕にして眠り、明日の戦いに備えてきた。国を乱す逆賊を討ち滅ぼそうと志してきた。いつも恐れていたのは、祖逖が私より先に戦場に駆けつけてしまうことだった」

この故事には、劉琨が日々戦いの準備を怠らず、親友の祖逖と競い合いながら国家のために尽くそうとした強い決意が表れている。
また「枕戈待旦」と共に「先鞭せんべんける」の語源にもなっている。

類義語:「枕戈寝甲ちんかしんこう

四字熟語 枕戈待旦
読み ちんかたいたん
出典 『晋書』劉琨伝
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月11日