夷蛮戎狄とは

異民族の蔑称。
中国古代の華夷思想に基づく言葉で、中国周辺に住む異民族を指す総称である。
「夷」「蛮」「戎」「狄」は、それぞれ東方・南方・西方・北方の異民族を表す。
「夷」は東方、「蛮」は南方、「戎」は西方、「狄」は北方の部族を指すとされ、中国王朝はこれらの民族を自国とは異なる存在として分類した。
古代の中国では、これらの民族を文明が未発達な者として見下す傾向があったが、時代が進むにつれて文化交流が進み、見方も変化した。

古代中国の漢民族の人々は、自分たちの文明を「中華」と名付け、世界の中心であり最も優れたものであると考えていた。
そして四方の未開の地に住んでいた異民族を「東夷とうい」「南蛮なんばん」「西戎せいじゅう」「北狄ほくてき」と呼び、蔑んでいた。

別表記:「蛮夷戎狄ばんいじゅうてき

類義語:「南蛮北狄なんばんほくてき」「北狄南蛮ほくてきなんばん」「西戎東夷せいじゅうとうい」「東夷西戎とういせいじゅう

例文

・歴史書には、夷蛮戎狄の侵攻とそれに対する中国王朝の対応が詳しく記録されている。

四字熟語 夷蛮戎狄
読み いばんじゅうてき
出典 『礼記』王制篇
英訳 Barbarians from the four directions
Foreign tribes surrounding ancient China
使用漢字
最終更新日:2025年10月9日