国士無双とは

国の中で並ぶ者もいないほど優れた人物のこと。

韓信を評した言葉「諸将易得耳、至如信者、国士無双」が由来。

韓信かんしんははじめ、項梁こうりょうに従い、項梁亡き後は項羽こううに仕えていた。
幾度も献策したが用いられず、やむなく漢王劉邦りゅうほうのもとに身を寄せた。

しかし劉邦の配下となってもすぐには重用されず、再び身を退くこととなった。

韓信の才を見抜いていた丞相の蕭何しょうかは、劉邦に進言した。

「諸将ならいくらでも代えが利きます。しかし韓信は『国士無双』でございます。もし王が漢中王の地位で満足なさるのであれば、韓信を用いる必要はありません。しかし天下を狙うなら、共に計を謀ることのできる者は韓信以外にはおりません」

蕭何は韓信を「国士無双」すなわち国に並ぶ者のない傑物として絶賛し、天下を狙うならぜひ重用すべきだと語った。

劉邦が「では将軍に任命しよう」と言うと、蕭何は「それでは不充分です」と首を振った。
「では大将軍に」と劉邦が言えば、蕭何はさらに「子どもを呼ぶような簡素な式ではなく、礼を尽くすべきです」と注文を付けた。

こうして劉邦は典礼の祭壇を設け、正式な任命式典を執り行い、韓信は漢の大将軍に大抜擢された。

四字熟語 国士無双
読み こくしむそう
英訳 Unrivaled
類義語
使用漢字
最終更新日:2025年10月14日