一挙両失とは

一つの行動が原因になって、他の大切なものまで同時に失うこと。

古代中国、戦国末期。燕国の第43代の君主「燕王喜えんおうき」は、隣の趙国を攻めようとした。
そこで、名将「楽毅がっき」の子である「楽間がっかん」に意見を求めたところ、楽間は「趙は戦争に慣れ、いかに大軍をもってしても攻め落とすことはできない」と進言した。

しかし、燕王喜はこれに激怒し、進言を退けて趙に出兵した結果、大敗を喫してしまう。
この敗戦で失望した楽間は趙に亡命した。

その後、燕王喜は書簡をもって楽間に詫び、再び帰国して燕を助けてほしいと懇願する。
その書簡には次のように記されていた。

「私を批判して自らを正当化しようとしても、あなたが誉れを得るわけでもなく、結局のところ誰の利益にもならない。これでは、一挙に二つを失うことになる」

しかし楽間は、忠告を退けられた怨みを忘れず、燕に戻ることはなかった。

やがて燕国は紀元前222年に秦の侵攻によって滅亡することになった。

例文

・無理な節約をした結果、品質も信用も失うことになり、一挙両失となってしまった。

四字熟語 一挙両失
読み いっきょりょうしつ
出典 『戦国策』燕策
英訳 Lose both at one stroke
A double loss in a single move
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月5日