肥肉厚酒

肥肉厚酒とは

贅沢な食べ物と酒。

「肥肉」は鳥や獣の厚く脂の乗った肉。
「厚酒」は量が多く濃厚な酒を指す。

別表記：「厚酒肥肉こうしゅひにく」

古代中国、戦国時代末期、呂不韋が門客を集めて編纂した『呂氏春秋』の「孟春紀・本生篇」には、富を持っても、節度を知らなければ身を滅ぼす三つの害（三患者）があると説かれている。

「招蹶しょうけつの機」は、外に出るときは車に乗って移動し、宮中では輿に乗るなどの贅沢を重ね、歩くことや苦労を避けるようになること。歩む力を失い、健康も心も蝕まれるきっかけとなる。

「爛腸らんちょうの食」は、肥肉をたらふく食べ、厚酒をたらふく飲み、自らの楽しみに耽ること。これらは胃腸を腐らせる食事である。

「伐性ばっせいの斧」は、美しい女性の容姿や淫らな音楽などに耽ること。過度な享楽が性命を傷けるとされている。