暴虎馮河とは

虎に素手で立ち向かったり、黄河を徒歩で渡るような無謀なこと。
一時の血気に任せて、後先考えずに行動すること。

孔子が弟子の子路を戒めた言葉が由来。

あるとき、孔子は愛弟子の顔淵がんえんに向かってこう言った。
「自分を必要としてくれる者があれば、世に出て道を行い、見捨てられたなら静かに身を隠す。このように出処進退をわきまえることができるのは、私とお前ぐらいのものだろう」

この言葉をそばで聞いていた子路は、顔淵ばかりが孔子の信任を得ていることに嫉妬した。
そこで子路は自分の得意分野である武勇を誇示しようと孔子に問いかけた。

「先生が軍を指揮なさるなら、誰と一緒に戦いますか?」

子路の心には「軍事のことなら自分こそふさわしい」という思いがあった。
しかし孔子は次のように答えた。

「虎に素手で立ち向かったり、黄河を歩いて渡るような、死んでも悔いはないという者とは、私は行動を共にしたくない。
私が共にしたいのは、事に臨んで慎重に構え、よく計画を立てて物事を成し遂げる者である」

この言葉に、子路は返す言葉を失った。

四字熟語 暴虎馮河
読み ぼうこひょうが
出典 『論語』述而より
英訳 Foolhardy courage
類義語
対義語
使用漢字
最終更新日:2025年9月26日