関門捉賊とは

兵法三十六計の第二十二計。
「門を関ざして賊をとらう」と読み下す。

敵の退路を閉ざしてから包囲殲滅する戦略。

自軍が敵軍よりも充分に優勢であれば、「窮鼠猫を噛む」可能性を恐れる必要は無いので、敵を包囲殲滅できる好機を逃してはならないとされる。

紀元前262年から260年にかけて行われた秦国対趙国の長平の戦いは、兵法三十六計の戦略「関門捉賊」の典型例であった。

まず、趙国はその軍勢の大きさをあてにして出撃したが、秦軍は名将「白起はくき」の指揮のもと、巧みに伏兵を仕掛け、趙軍を分断・包囲し、兵糧や補給を絶った。 
続いて秦本国から大量の兵員を召集し、包囲線を幾重にも固め、趙軍は完全に包囲された境界に閉じ込められた状態となった。

趙軍は兵糧が数十日間絶たれ、疲弊し、最終的には40万以上の兵が敗北し捕虜となり、その多くが生き埋めにされたという。

この勝利を糧に、秦国は趙国の軍事的優位を一気に奪い取り、戦国末期の中華統一に向かう要因のひとつとなった。

兵法三十六計
瞞天過海
囲魏救趙
借刀殺人
以逸待労
趁火打劫
声東撃西
無中生有
暗渡陳倉
隔岸観火
笑裏蔵刀
李代桃僵
順手牽羊
打草驚蛇
借屍還魂
調虎離山
欲擒姑縦
抛磚引玉
擒賊擒王
釜底抽薪
混水摸魚
金蝉脱殻
関門捉賊
遠交近攻
仮道伐虢
偸梁換柱
指桑罵槐
仮痴不癲
上屋抽梯
樹上開花
反客為主
美人計
空城計
反間計
苦肉計
連環計
走為上
四字熟語 関門捉賊
読み かんもんそくぞく
出典 『兵法三十六計』
使用漢字
最終更新日:2025年10月20日